茨城県高等学校文化連盟演劇部 The League of Ibaraki Senior High School Theatrical Clubs
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舞台の専門用語のおかげで、初めての場所や関係者とでも、スムーズなコミュニケーシヨンが可能になるのです。
代表的なものはしっかりと覚えておきましょう。

■ 舞台周り

上から見ると…↓
ホリゾント幕

【舞台奥・奥)】

袖幕 袖幕
【下手】 【アクティングエリア・本舞台】 【上手】

袖幕 袖幕
【舞台前・前・端】

【上手(かみて)】 客席から見て、舞台の右側。
【下手(しもて)】 客席から見て、舞台の左側。
【舞台袖・袖(ぶたいそで・そで)】 袖幕に隠されている部分。
【袖幕(そでまく)】 本舞台の範囲を決定し、出演者や大道具などをスタンバイさせておくためのスペースを作る。
【ホリゾント幕】 淡いグレーまたは白の幕や壁。照明を当て、空や壁等を表現する。
          *〈独〉horizont(舞台奥の半円形の壁・照明で天空を表現する舞台装置)
【文字幕(もんじまく)】 舞台真上の照明機材等を隠す横長の黒幕。(上写真の上端に見える)
               (「一文字幕」・「文字」 とも称される)
【プロセニアム】 舞台前端。(上写真の「前・端」の文字のある辺り)

■ 舞 台
【Intercom(インターカム/インカム)】
     同時通話機能を備えた有線装置。切っ掛け等の連絡にスタッフ間で使用される。
     〈英〉intercommunication system〔unit〕 の略。
【SE(エスイー)】
Sound Effect(サウンド・エフェクト)の略称。効果音・音響効果のこと。
【ME(エムイー)】
Music Effect(ミュージック・エフェクト)の略称。音楽効果のこと。
【BGM(ビージーエム)】
Back Ground Musicの略称。環境音楽。 *「効果」では無いので、舞台では用いない。
【工レべーシヨン・立面図(りつめんず)】
平面図を立体的に起こし、舞台装置を正面から描いた図面。
【暗転(あんてん)】 ⇔明転
ホール内の照明を落として真っ暗にし、場面転換を行うこと。(暗転幕を利用することもある)
創作脚本で多用される傾向にあるが…
×作業効率が落ちるので時間がかかる  ×観客の集中が途切れる  …と高校演劇では歓迎されない。
○1〜2回程度に抑制する  ○明転を織り交ぜる  ○音楽で観客の集中を途切れさせない …等の工夫が必要。
【大黒幕(おおぐろまく)】
舞台奥に吊られる黒い幕。「夜・暗闇・異空間・心象」等を表現することが多い。
【開演べル・開演ブザー】
お客様や出演者に対し、劇場内全ての場所に聞こえるように鳴らす合図。
〔1ベル(いちべる)・予鈴(よれい)〕 開演予告。開演5分前に入れることが多い。
〔本べル(ほんべる)・本鈴(ほんれい)〕 開演を知らせる音。「2ベル」。
【切っ掛け・Cue(きっかけ・きゅー)】
舞台上の様々な行動や変化を起こすタイミングを表す言葉。またはそれを知らせる合図のこと。
【客電(きゃくでん)】
劇場内の客席上の照明のこと。上演前後や休憩中に客席を照らすための照明設備。
【黒衣(くろご)】
歌舞伎の舞台の後見役。あるいはその衣装(黒い衣服と黒頭巾)。
※【黒子(くろこ)】…と思われているが、それは「黒子(ほくろ)」である。
【ゲネプロ】
本番の舞台を使って行う最終リハーサル。本番とまったく同じ条件で通す。(県大会では無理ですね…)
これ以降の演出変更等は行わない方が無難です(全体への影響が予測不能)。   *〈独〉general probe(総点検)
【仕込み図(しこみず)】
〔音響仕込み図〕 平面図上に音響機材の設置場所や使用機材、配線経路を記入した図。
〔照明仕込み図〕 平面図上に照明機材の設置場所や使用機材、力ラーフィルター番号や配線経路を記入した図。
【操作表(そうさひょう)】
照明の調光卓や音響の調整卓を操作する時に必要な切っ掛けや、各フェーダーのレベルや、その変化量等が書き込まれた表のこと。
【蓄光(ちくこう)テープ】
一般に夜光テープと称される物。文字通り、光を蓄え、消灯時でも発光する。暗転時の目印として利用される。
ただし、客席からもよく見えるので、場所や向きを考え、必要最小限にとどめたい。
なお、擦り込まれることを防ぐため、舞台上にはビニールテープを下地にして貼るのが原則である。
【ト書き(とがき)】
脚本中で、登場人物の表現・動作・出入り・場面の状況・各種効果等の指定を、せりふとせりふの間に書かれたもの。
※「ト」=歌舞伎の台本で、出入りの指示を「〜ト 退場」というようにと書いていたのに由来する。
【捌ける(はける)】
舞台から退場すること。
【バミリ】
舞台上の印。有色のビニールテープ等を用いて、装置や立ち位置の目印とする。合同公演等では、団体によって色が指定される。
 *【バミる】動詞:バミリ用テープを貼ること
【舞台転換(ぶたいてんかん)】
一つの公演中、次の「演目」・「幕」・「場」のために場面(舞台装置)等を変えること。暗転と明転がある。
【ブリッジ】
転換用の音楽。場面転換時やシーンチエンジ時に、前後の場面をつなぐ「橋渡しをする」音楽や効果音のこと。
【平面図(へいめんず)】
〔基本平面図〕 劇場の空舞台(からぶたい=何もない舞台)を上から見て描かれた図面。
〔各場面平面図〕 基本平面図に大道具等が描き込まれた図面。
【幕間(まくあい)】
第一幕と第二幕の間。また、劇と劇との間。(県大会では15分間です)
【明転(めいてん・あかてん)】 ⇔暗転
照明を点けたまま場面転換をすること。きちんとやると、舞台上では全く違和感が無い。
【見切れる】
舞台そでや吊り物等、客席から見えてはいけない物が見えてしまうこと。
【目張り(めばり)】
パネルの継ぎ目にできる隙間等を紙を張るなどして隠すこと。

■ 操 作
【Cut-in(カットイン)】
照明:瞬時に点灯すること。音響:瞬時に所定のレベルまで上げる・急に出すこと。
【Cut-out(カットアウト)】
照明:瞬時に消すこと。音響:瞬時に絞りきる・急に音を消すこと。
※省略表記: Cut-in=C.I.  Cut-out=C.O.
【Cut-cross(カットクロス)】
照明・音響:次への変化を素早く行うこと。
【Cross-fade(クロスフェード)】
照明・音響:次への変化をオーパーラップするようにゆっくりと変えること。
【Fade-in(フェードイン)】
照明:ゆっくりと明るくする(溶明)。音響:ゆっくりと音量を上げて行く。
【Fade-out(フェードアウト)】
照明:ゆっくりと暗くする(溶暗)。音響:ゆっくりと音を消す。
※省略表記: Fade-in=F.I.  Fade-out=F.O.
【飛ばす】
舞台上の吊り物やバトンを吊り上げること。
【どん】
天井・床・壁に「ドン」とぶつかる位置。限界ギリギリの位置。
 *関連「どん引き」:そもそもは、その昔、低予算でスタジオセットが狭く、TVカメラを壁に目いっぱい後退させて収録する時の用語。

■ 大道具 ・ 舞台装置
【尺貫法(しゃっかんほう)】
     日本建築で使用されるのは、メートルではなく「寸(すん)」・「尺(しゃく)」・「間(けん)」です。
     建材も、多くはこの寸法で表記されています。覚えておかないと道具が作れません。
尺貫法 表 記 換 算 値 メートル法 つまり…
 1(りん)   0.001 ≒ 0.3o 約0.3o
 1(ぶ)   0.01 =10厘 ≒3.03o 約  3o
 1(すん)   0.1 =10分 ≒30.3o 約  3p
 1(しゃく)   1.0 =10寸 ≒ 303o 約 30p
 1(けん)   6.0 = 6尺 ≒1818o 約1.8m
※メートル表記の図面では、「ミリ」で表すのが基本
【平台(ひらだい)】     
木製の平べったい台(そのまんまだなぁ…)です。
舞台上に並べたり、組んだりして高低差を作り出します。
会館等には必ず用意されています。種類と数を確認しましょう。
名  称 サブロク サンサン ニイロク アブラゲ アール ヨンロク
形  状
縦 寸 3尺 3尺 2尺 3尺 3尺 4尺
横 寸 6尺 3尺 6尺 3尺 3尺 6尺
※高さは4〜5寸(≒120〜150o)

【蹴込み(けこみ)】
  客席から見える側面には、ベニヤ(グレーで着色)等を張ります。 剥き出しで使うのは避ける。
処理前:木の地肌が見えたまま…単なる「平台」です
処理後:グレーが張られています…「装置」になりました

【鏡(かがみ)】
扉や障子を開けた時用に、奥に建て込む張り物等のこと。
教室のドアを開けたらホリゾント幕が見えた…では不自然。
観客から見える範囲には、ちゃんと廊下を作っておきましょう。…ということ。
【小口(こぐち)】
垂木等を切った切り口のこと。
【コンパネ】
分厚いベニヤ板と言えば分りやすいかな?コンクリートの型枠に使うため、強度が高い。
人が乗るような丈夫な舞台装置等に使うと良い。でも重い。
【筋交い(すじかい)】
大道具の裏側に対角線に取り付ける補強材。
【建っ端(たっぱ)】
物の高さや人の身長を表す。
【嵌め殺し(はめごろし)】
本物なら動くはずの窓や扉を、無可動で簡略に作ること。
【踏み面(ふみずら・ふみつら)】
階段上面等の足が乗る部分。
【箱足(はこあし)】
木製の箱です。
平台の下に置いて、より高くすることができます。
箱馬(はこうま)とも呼ばれます。

※平台&箱足の組み合わせを「二重(にじゅう)」と呼びます。
1.6尺
1尺
※さらに高さが欲しい場合は、高足(2.8尺)・中足(2.1尺)・常足(1.4尺)等を使います。
 多くの会館では、「開き足」が用意されています。確認しましょう。
【人形(にんぎょう)】
壁面パネルの裏側に付けて、倒れないようにする部分。
垂木(たるき)等で三角形に組みます。⇒
【バタフライ/蝶々】
垂木の継ぎ目を補強するベニヤ板。
「四角バタフライ」と「三角バタフライ」の2種類を使い分けます。⇒
【鎭(しず)・重石(おもし)・ウエイト】
舞台装置を固定する金属の塊。⇒
【建て込み】
舞台上に大道具等を設置すること。(⇔バラシ)
【バラシ】
舞台上から大道具等を撤去すること。(⇔建て込み)
【道具帳(どうぐちょう)】
舞台装置の展開図面。これと平面図を使い大道具の製作や建て込みを行う。

■ そ の 他
【おはようございます】
舞台関係者の挨拶。夕方でも夜でも「おはようございます」。24時間、昼夜関係なく仕事をするので…らしいです。

●「教室」の大原則
高校演劇では「教室」がよく出てきます。当然ですが規格があります。
黒板に向かって右側が廊下(北)、左側が窓(南)になります。
右手で筆記具を持った時に、手元に影が落ちないように、左から陽が当たる…だそうです。
また、天井高が一般の建物よりも高いのが特徴です。 約3m(≒一間四尺)
扉や窓の上にも天窓等を上乗せし、天井を高めに設定すると雰囲気が出ます。
 ※教室の天井高の歴史
1882(明治15)年 文部省示諭で、天井高は1丈(≒3m)以上とされた。(石炭ストーブによる一酸化炭素中毒を防ぐため。)
1950(昭和25)年 建築基準法でも3mが継承された。
(戦後の教室不足から、児童生徒が50名!というのが当り前の状況。換気と圧迫感の解消が必要だった。)
2005(平成17)年 天井高規定が撤廃された。(埼玉県草加市の教育特区申請が発端)
現在はコストや耐震性等を考慮して2.7m(オフィスの主流)程度で設計されることが多いらしい。
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