茨城県高等学校文化連盟演劇部 The League of Ibaraki Senior High School Theatrical Clubs
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多種多様な指導書や専門書が出版されていますが、
実際にやってみるまで気付かない事は意外と多いものです。
過去の各種大会の審査員の講評や、
知恵と経験からひねり出された各校の工夫の数々をまとめてみました。


●テレビや映画とは違うのです

演 劇 テレビ・映画
場面転換 ×
×
音響効果 ×
×
高校生の演劇なら…
演劇⇒×流れが途切れる・観客の集中が切れる
映画⇒○編集こそが演出である
演劇⇒×セリフが聞き取れない・静かな場面ほど緊張感が高まる
映画⇒○セリフと音量調整可能・「現実」をイメージの世界に変える
※演劇は「人物」を描くのが基本。「それ以外のもの」が多過ぎないようにしましょう。

リハーサル

急な動きをしないこと。 (特に、走るのは大変危険!)
「タイム・テーブル」と「チェック・シート」を作りましょう。 (リハーサルをちゃんとやれないと本番が大変)
優先順位を決めておく。(どうしてもチェックしなければいけないことから消化して行く)
「キビキビ」は良いが「カリカリやトゲトゲ」はよろしくない。 (上演にはリハーサルの雰囲気が反映されます)
装置のセッティングを手早くする。 (工夫例:ロープに目印を付けて使う・実物大の大きなシートを広げて使う)
コミュニケーションを確実にしましょう。 (手際の良い団体は驚くほど地味で静か=指示が徹底するし安全)
  -小電力トランシーバーを使う(最近は携帯電話もありますし…)
  -サインボードを使う

●演出

具体的なイメージを作ろう。 (単なる演技指導では無い・「曲」のアレンジに似ているかも?)
イメージを統一しよう。 (登場人物全員に同じ光景が見えなければ観客にも見えない)
照明とエリアの意味を明確にしよう。例えば…
  上手だけ照明を当てて演技者が台詞を喋っている一方で、
  下手では照明が落とされた薄暗がりでキャストが無用な動きをしていたり、
  スタッフが舞台装置を動かしたりすると、
  観客の気が散ってしまいます。
大ホールの舞台は大き過ぎることが多い。
  どこかの一室という設定には広過ぎるとか、間延びしたりする時には、
  袖幕を引いたり、照明を当てる範囲を限定したりして、小さな空間に見せる工夫をしましょう。
危険なことはしない。(規則を守る)
  −金属製の模擬刀で剣戟!⇒もしも折れて剣先が人に刺さったら…!
  −無許可で火薬を使う。⇒火花が可燃物に引火したら…!そもそも原則火気厳禁!
  −液体の使用は避ける。(舞台に色が着いたら大変!濡らしただけでも大迷惑!)
荒立ち/半立ち/立ち稽古の前の、読み合わせにこそしっかりと時間を取ろう。
舞台上にも東西南北?
  一説では、舞台奥=北・舞台前=南・上手=東・下手=西 となっているそうです。
  客席側から当たる照明=太陽と考えると、こうなるのだそうです。(あくまで原則。決まりではありません。)

●音響効果

よけいなことはしない。 (効果が無いのは逆効果)
やり過ぎない。 (張り切り過ぎて、ず〜っと音効を入れ続けたりすると、とても耳障りです。)
CD-Rは、オーディオ機器によっては音飛びすることがあります。MD等の他のメディアも準備しておきましょう。
フェード・イン/アウトの時は、一律にでは無く、小節の切れ目で音量を変化させると自然に聞こえます。
リハーサルと本番では音の響きが違います。 (観客が音を吸収します)
台詞とかぶる時は音楽を入れない。どうしても必要な時にはギリギリまで下げる。
  (音楽がせりふをかき消してしまっては台無し・音響は基本的にせりふの邪魔になると心得る)

●照明効果

よけいなことはしない。 (効果が無いのは逆効果)
やり過ぎない。 (張り切り過ぎて、ず〜っと変化をさせ続けたりすると、目障りになります。)
色彩効果は「白」に当てた時に最大となる
  (例:桜の花びらを散らすなら…ピンクの紙片よりも、白い紙片にピンクの照明を当てた方がきれい)
明るくしっかりと見せるのが基本。やたら凝るのは考え物  (暗くなって表情が見えなくなっては元も子もない)
照明は舞台の時間を創る。
   客電が落ち、緞帳が上がり、照明が入る…この一連の流れで、観客を劇空間へと誘い込むのです。
   そして、緞帳を下ろし、客電が点き、観客は現実世界へと引き戻され、「ほ〜っ」と溜息をつくのです。
   タイミングを間違えると、大切な観客の心理を置いてきぼりにしてしまいます。

●演技

よけいなことはしない (舞台上では何かしなくちゃいけないというアセリを捨てましょう)
微妙すぎる動をしない (動かない時には動かない。真っ直ぐ立つのが基本。中途半端に動いてはいけない。)
セリフを言う時にありがちなクセ
  −上体が前のめりになる。
  −顎が上がって、遥か遠くに叫ぶような姿勢になる。 (大きな声を出そうとするとこうなる)
  −セリフに合わせて手足がやたらと動く。 (こういうのが「演技」だと勘違いしている人は多い)
セリフを言う時のちょっとしたコツ
  −力を抜いて真っ直ぐに立つ。顎を引き、目線を無理に上げない。
テンションの意味を履き違えない
  (派手に動くとか、大袈裟に表現するということではありません)
  (舞台上では、常にその人物であり続けることがテンションです)
  (他の人の演技中に休んで、自分に戻ってはいけませんということ)
*tension(英):[名](精神的)緊張,不安,緊迫,伸長,張り
練習でやらなかったことを本番でやるのは避けよう   (効果が予想出来ないし、物理的な危険も伴う)
ストーリー上必要な情報(セリフ)は特に確実に伝える (大きく・ゆっくり・繰り返す)
形から入ると、無理が出る。
  (悲しい時の決められた動きとか、嬉しい時の一定の感情表現とか、そんなものは存在しません)
相手との距離感を大切にして台詞を言おう。
  (大きな声を心掛ける余り、近距離で怒鳴り合っているようにしか見えないケースがあります)
一つ一つの台詞に過剰に気持ちを込めないこと。人間は普段そんな疲れる会話をしていません。
パントマイムの練習の第一歩は、実物を使ってやってみること。その実感があれば素手にも物が見えてくる。
「こういうキャラだから…」で演じると、平板な人物描写になりがちです。
  また、頑張り過ぎても、魅力的な人物になりません。
  人間は複雑な生き物なのです。
人は発言の語尾に気持ちが込められるものです。
  そしてその気持ちが間(ま)を生む。
  間の取り方で伝わる内容が大きく異なります。
舞台上でまぶしく無いのは、自分の顔に影が落ちているからです。
  その時あなたの表情は客席から見えていません。
  少し顔を上げましょう。
余計な前髪は邪魔にならないように処理しましょう。
  長い髪も、動きによっては見苦しくなります。
  束ねたりまとめたりして工夫しましょう。
メイクアップ=化粧ではありません。
  マスカラ、アイシャドウ、チーク等、通常の化粧をして舞台に立つ女子を時折見かけます。
  それは「化粧」で、自分を魅力的に見せる行為です。
  「メイクアップ」は、人物の設定や性格を明確にするものです。
  区別して勉強しましょう。

●脚本

脚本の良し悪しで芝居の成否がほぼ決まる。
「良い脚本を、良い監督が撮れば名作になる」
「良い脚本なら、下手な監督が撮ってもそれなりの作品になる」
「ダメな脚本では、良い監督が撮ってもどうにもならない」          (黒澤 明)
きちんと製本し、常に持ち歩きます。
  (コピーの片隅を簡単にホッチキス止め…ではいけません)
  (いつでもどこでも見て確認して、書き込むものです)
  (部員の手にしている脚本/台本の状態を見れば、芝居の出来具合も大体想像できます)

○創作脚本

勇気をもってダメ出しをしよう
  (徹夜で5〜6回書き直すのは当たり前。それでも良くないものは使わない)
ついつい説明過剰になり、普段は口にしない心理状態までセリフにしがち。
  観客を信じ、勇気をもってセリフを削ろう。
最後になってテーマをセリフで説明するのは避けましょう。
暗転を多用するのは逆効果! (創作脚本にありがちな失敗・観客の集中が途切れてしまう)
ギャグの設定に注意しよう。笑いを誘いたい一心で、特定の人物を差別していませんか?
安易な正論で片付ける傾向に流され易い。
  上っ面を撫でるだけだと、見ても空虚だし、一方的な主張は当事者には不快なものである。
若者の主張にこだわり過ぎない。一方的に社会や大人を悪者にしても共感は得られません。
あまり設定を複雑にしない。ひねり過ぎると観客の理解が及ぶ前に60分が過ぎてしまう。
かわいい主役には苦労をさせよう。自分自身も傷付かないようでは、何も得られません。

○既成脚本

著作権を守る
  (地区大会からしっかりとしておかないと…もしも、県大会・関東大会と進んだら?)
読み込みが成否を分ける
勝手なアレンジをしない
  (場所を近場にしたり、古い設定を現代風にするのは必要だが、好みに合わせ過ぎるとテーマが変質する)
  (手を加える場合は、必ず作者に示して了解を得ること!)
ネット台本には注意しよう
  (上演に耐えるものかどうかの見極めが大切)
  (何人もの専門家の好評を得てやっと印刷される出版モノと同列に扱うのは危険です)

●心得

感謝の気持ちを忘れずに
  (会館・スタッフあっての上演である。文句を付ける前に工夫するのが筋)
感謝の気持ちを忘れずに
  (見て下さる人が居てこその上演である)
謙虚さを忘れずに
  (人に見せて褒めてもらうことだけを期待してはいけません)
  (批評がいやなら最初から人に見せてはいけません)
審査結果を受け入れる
  (異なる芝居に優劣をつけるなんて、土台から無理な話なのです)
  (野球部とサッカー部が同じフィールドで戦って勝敗を決めるようなものです)

きちんと整理してまとめようと思っているのですが、時間が無くて出来ません。
いつまでも溜め込んでおいてもいけないので、とりあえず出してしまいます。
いろんな人がいろんなことを言ったのをまとめただけですから、食い違いもあるかな?
いちいち全部を聞いていると動けなくるので、適当に取捨選択して参考にしましょう


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